相続手続に関わる費用5選

2021年07月14日

相続手続に関わる費用5選

相続手続きの費用とはどういうものがあるの?

相続手続きの費用5選

まずは相続が起きてから行う可能性がある手続きについて5つほど列挙します。

   ① 税理士費用
   ② 司法書士費用
   ③ 弁護士費用
   ④ 土地家屋調査士費用
   ⑤ 遺言執行費用

税理士に支払う費用とは

 相続が発生したのち、税理士の先生に所得税や消費税の準確定申告、相続税の税務申告などを依頼したときにかかる費用を言います。

費用は発生するが税理士の先生に依頼するメリットは、必要な情報を提供すれば税務部分において必要な手続きや申告を一通りこなしてくれるところです。

また、相続発生前でも相続税のシミュレーションを依頼でき将来発生する相続税の概算額を把握できるメリットもございます。
相続税に強い税理の先生であれば、節税対策や納税資金の解決方法の相談にものってくれるでしょう。

司法書士に支払う費用とは

 相続財産について分割協議や遺言書(以下『分割協議等』といいます)により誰が取得するか決まったあとは、財産が分割協議等通りの所有者になるように名義変更の手続きをしなければ完了しません。
その為に必要な手続きや相続放棄の手続きを行ってくれるのが司法書士の先生です。

また、相続が発生する前でも家族信託の手続き、成年後見制度は司法書士の先生が必要になります。

※家族信託とは財産の所有者(委託者)が財産の運用や管理を信頼できるご家族(受託者)にお願いする仕組みです。

弁護士に支払う費用とは

 相続手続きにおいて弁護士の先生に支払う費用とは、司法書士の先生が行うような相続手続きや相続人同士でトラブルが発生し分割協議がまとまらない場合にかかる費用などをいいます。
とくに相続人同士のご関係が険悪で分割協議がまとまる見込みがない場合は弁護士の先生の力が必要になります。

土地家屋調査士に支払う費用

土地家屋調査士に支払う費用とは、主に所有している不動産の測量、分筆(土地を分割すること)などの手続きに対して支払う費用を言います。

相続手続きにあまり関係ないように思う方もいるかもしれませんが、1つの土地を複数に分割するときに土地家屋調査士の先生の力が必要になります。

また、相続発生前の相続対策としても活用できます。比較的広い土地であれば、生前のうちに土地を分筆して、それぞれの相続人が単独所有ができるように準備することができます。

遺言執行費用とは

遺言執行費用とは、相続財産の管理費用、名義変更にかかる費用、相続財産目録作成費用、遺言執行者に支払う料金などが遺言執行費用にあたります。
遺言執行費用は相続財産から控除して支払うように民法で定められています。
遺言執行費用を相続財産だけでは払えないときは、財産をもらう人(受遺者)が負担することになります。

それぞれの専門家に依頼する共通するメリット

それぞれの専門家に依頼することにより、ご遺族の方が故人を偲ぶ時間を確保できます。
また、今後の生活や財産の分割について考える時間を作ることができます。
特に今後の生活については相続人本人がじっくり考えるべきことと思います。
その時間を確保する意味でも専門家に依頼するメリットがあると思います。

相続手続きの費用はいくらか?

税理士に払う費用

 (所得税の準確定申告の費用)
所得税については事業の内容や作業の手間により手数料が変動すると思います。
5~10万円くらい予算として考えておけば大概はまかなえるのではないかと思います。
ただし、個々の事情により費用の増減がありますのであくまでも目安としてお考え下さい。

逆に言えば税理士の先生の作業の手間を削減できるくらいの書類を提供できれば費用を抑える相談をすることも可能かと思います。

 (相続税の税務申告の費用)
相続税の税務申告にかかる費用は税理士事務所によって料金に違いがあります。
どの料金が適正な金額か分かりづらい部分もあります。
財産の金額や種類の数、相続人の人数によって変わりますが一つの目安として、財産の1%を支払う予算として確保しておくのが良いかと思います。
当然それより安く済むこともございます。
しかし特殊な手続きを必要とする場合や面談回数が多くなる場合を考慮しておくために財産の1%を税理士に支払う費用として確保しておいたほうが良いかと思います。

司法書士に支払う費用

 司法書士の先生に支払う相続手続きの費用の多くは相続の名義変更手続きだと思います。
ここでは名義変更手続きにかかる費用を説明させていただきます。

相続財産の名義変更の費用の内訳はおおまかに、

  ①司法書士の先生に支払う料金
  ②不動産の名義変更にかかる登録免許税
  ③移動にかかる交通費などの立替費用

  で構成されております。

基本的にはすべての相続手続きが完了した時に支払うことが多いと思いますが、不動産の名義変更にかかる登録免許税の金額が大きい場合、②の登録免許税だけを先に司法書士の先生に支払うことがあります。
全てというわけではありませんがそういうケースもあるということをご理解ください。

ちなみに登録免許税は、

不動産の価格 ✕ 0.4% = 登録免許税 

となります。 

不動産の価格とは『固定資産税評価証明書』に記載された評価額をいいます。

『固定資産評価証明書』がなくても毎年4月~5月頃にご自宅に届く固定資産税の通知書の明細欄に『価格』もしくは『評価額』があります。それを参考にしていただいても問題ありません。

①の司法書士の先生に支払う費用は、10万円程度を考えておくと良いと思います。
ただし、相続登記にかかる手続きについて必要書類(戸籍関係の書類など)の全ての準備を司法書士の先生にお願いする場合と、必要書類(司法書士の先生からご指示があると思います)はご自身で準備された場合とでは料金に違いがある場合もございますので、依頼する際は司法書士の先生に確認すると良いでしょう。

②の登録免許税は計算方法が決まっているので、どの司法書士に依頼しても金額は変わりません。

弁護士に支払う費用

 相続手続きの費用として、弁護士の先生に支払うケースとしては相続の名義変更手続きの費用を除くと、相続でトラブルが生じているケースが多いのではと思われます。
こちらに関しては、相続のトラブルを解決するのに要した時間、相手の弁護士の先生との折衝などが料金に反映されるため具体的な費用をお伝え出来ません。

ただし相続トラブルが発生していても、問題が大きくならないように事前に弁護士の先生に相談料をお支払いしてアドバイスを頂くやり方も検討しても良いかと思います。

土地家屋調査士に支払う費用

 相続財産の土地を複数の相続人で取得する方法の一つとして土地を複数に分筆す露ことがあります。
この分筆を行うのが土地家屋調査士の先生です。
この分筆は生前に相続対策として行うこともあれば、相続の分割協議の結果により行うこともあります。
測量(確定測量)にかかる費用は60~80万円ほどが相場といわれております。
しかし、様々な個別事情により費用は変動しますのであくまでも参考程度に考えてください。

確定測量とは、隣地所有者と立合いのもと、境界点の合意・確認を得て正確な面積と境界を確定させる測量をいいます。

遺言執行者に支払う費用

遺言により財産の分割を行う場合は、遺言執行者を執り行います。
その遺言執行者に支払う費用は遺言書に記載されていることがあります。
記載されている場合はその金額を支払います。
遺言執行者に支払う費用の相場は財産の1~3%といわれております。

さらに、手数料や実費費用などが加算されます。
遺言書に遺言執行者に支払う費用の額が記載されていないときは話し合い又は家庭裁判所で決めます。

自分で手続きを行うことは可能か?

相続手続きには様々な専門家の力が必要になります。
しかし、専門家に依頼せずご自身で全て行えばそれぞれの専門家に支払う料金を節約することができます(登録免許税はご自身でやる場合も支払わなければならない税金です)。

ご紹介させていただいた専門家の中で節約が可能な部分は、所得税の準確定申告と相続財産の名義変更手続きの2つと思われます。
その他の部分は以下の理由でご自身でこなすのは厳しいと思われます。

 ①専門性が高い(相続税の申告、弁護士の先生への依頼)
 ②資格が必要な手続きがある(確定測量を行うには資格が必要)
 ③遺言執行者が指定されている

まとめ

相続が発生したらこのような手続きと費用が生ずる可能性がございます。
相続は経験することが少ない手続きの1つです。
今回はその相続の手続きについて簡単ではございますが紹介させていただきました。
専門家に依頼することにより故人を偲ぶ時間や今後の生活、遺産分割に時間を集中することができます。

最後に、この記事がいずれ訪れる相続の手続きを円滑に進めるための一助になれば幸いです。
ありがとうございました。

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