【令和3年12月版】すぐにできる!相続税の節税対策13選
2022年01月15日
すぐにできる節税
贈与
年110万円まで非課税!暦年贈与
生前贈与で子や孫に財産を贈与していく方法です。
贈与税は「財産の贈与を受けた人」が「1年間に財産の贈与を受けた金額」に対して支払うものですが、
暦年贈与は年間110万円以内であれば、贈与税がかかりません。
したがって、非課税枠を活用して毎年贈与したり、
相続税率よりも低い贈与税率の金額だけ贈与し続けたりすることで、
相続税の節税につながります。
ただし、生前贈与にはいくつかの注意点がありますので、
以下の点を押さえておきましょう。
【注意点】
①相続開始前3年以内の贈与は相続税の課税対象となる
②贈与契約書を作成しておく
③連年贈与とみなされないようにする
④名義預金とみなされないようにする
①相続開始前3年以内の贈与は相続税に加算される
相続が開始する前3年以内に、贈与を行っていた場合、
その「3年分の贈与済みの財産」は、「相続財産に加えなければならない」という決まりがあります。
ただし、既に支払った贈与税は、相続税から減額されますので、
「亡くなる前3年間の贈与は、贈与していなかったことと同じになる」
というイメージでいると良いでしょう。
②連年贈与とみなされないようにする
例えば、毎年110万円ずつ10年間贈与したような場合、
「110万円×10回払い=1,100万円を贈与しようと思っていたんでしょ?」
とみなされて、贈与税を課される場合があります。
このようなケースを連年贈与と言います。
毎年同じ金額を同じ時期に贈与していると、連年贈与とみなされる可能性がありますので、
贈与の時期や金額を変えたり、④でご紹介する贈与契約書を作成したりする対策が必要です。
③名義預金とみなされないようにする
贈与していたとしても、
「お金の名義をうつしただけで、実質的には贈与した人のお金でしょ?」
とみなされてしまい、贈与が無効となってしまうことがあります。
特に、別の人が口座の管理をしていないようなケースで見られます。
口座の名義人が自由にお金を使える状態にしておいたり、次にご紹介するような贈与契約書を作成したりするような対策が必要です。
➃贈与契約書を作成しておく
実際に贈与があったのかなかったのかを税務署に対して証明するために、
贈与契約書を作成しておきましょう。
贈与契約書は贈与の都度税務署に提出する必要はなく、作成・保管しておくだけでOKです。
実際に贈与をしていたという証拠を残しておくことは大変重要です。
おしどり贈与
おしどり贈与とは、正式名称を「贈与税の配偶者控除」と言います。
この制度を利用した場合、
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産もしくは居住用不動産を取得するための資金の贈与は最大2000万円まで贈与税がかかりません。
この制度を使うためには、以下のような要件を満たして添付書類を付けて税務署に申告する必要があります。
【要件】
- 婚姻期間が20年以上の夫婦間の贈与であること
- 居住用不動産もしくは居住用不動産を取得するための資金の贈与であること
- 贈与を受けた年の翌年の3月15日までその居住用不動産に住んでいて、その後も住み続ける見込みがあること
【添付書類】
- 戸籍謄本
- 戸籍の附表の写し
- 居住用不動産の登記事項証明書
- 固定資産評価証明書(金銭の贈与の場合は不要)
相続時精算課税制度
60歳以上の親や祖父母から子や孫に贈与する場合、相続時精算課税制度を使うと、合計2,500万円まで贈与税が無税になる制度です。
「相続時精算課税制度を使うと無税だからお得なの?」
と勘違いされることが多いのですが、この制度そのものには節税効果はありません。
なぜなら、相続が発生した際に、相続時精算課税制度を使って贈与した財産は相続財産に加えて相続税を課税するためです。
いわば、納税の先延ばし的な効果と言えます。
また、相続時精算課税制度を選択すると暦年贈与(110万円まで非課税)を利用することができず、贈与額が2,500万円をこえた場合には一律20%の贈与税が課税されます。
ただし、節税に効果的なポイントが一点あります。
それは、相続時精算課税制度を使って贈与した財産は、贈与した時の時価で評価して相続財産に加えるという点です。
つまりどういう事かというと、
仮に2,500万円で贈与したものが、相続発生時に1億円になっていたとしても、
相続財産には2,500万円分だけ加算すればよいという事です。
この制度を使わなければ、相続発生時の1億円が相続財産として相続税の課税対象となってしまいますが、相続時精算課税制度を使った場合は2,500万円分だけ相続税の課税対象となるのです。
したがって、値上がりが確実と思えるようなものや収益を生み出すようなものを、この制度を使って贈与することで、節税効果を生み出すことができます。
収益不動産を贈与して賃料の蓄積を防いだり、ディスカウント債(ゼロクーポン債)といった金融商品を贈与したり、自社株式の評価額を下げたタイミングで贈与するといった使い方がなされます。
生命保険
生命保険の活用は、相続税の節税の中でもかなりメジャーな方法です。
生命保険金は、相続が発生した場合には「財産」として相続税の課税対象となるのですが、
下記の計算式の金額までは非課税なのです。
500万円×法定相続人の数
※法定相続人とは、法律上、遺産を相続する権利が認められている人のことを言います。
ここでは代表的な3パターンだけ押さえておきましょう。
- 子供がいる場合は配偶者と子供が法定相続人になります。
- 子供がいない場合は、配偶者と親が法定相続人になります。
- 子供も親もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になります。
低リスクの死亡保険であれば、かなりご高齢の方でも加入できるものも多くございますので、
まだ生命保険の非課税枠をご活用されていない方は、是非ご検討すべき対策です。
非課税資産の購入
亡くなった方の財産は相続税の課税対象となるのですが、一部、相続税を課税しなくても良い財産が有ります。
例えば、お墓や仏具が当てはまります。
生前にお墓を建てておけば、その費用は相続税の課税対象から外れるのです。
もし亡くなった後にお墓を建てたとすると、この非課税の恩恵は受けられませんので、亡くなる前の生前対策の一環として、お墓や仏具の購入はご検討ください。
税理士費用などの前払い
実は、死後に出費が確実なものを生前に支払ってしまうのは、相続対策としては非常に効果的です。
一般的に、相続対策を依頼した税理士に相続税の申告をお願いされると思いますが、
実際に相続税の申告をする際にも申告報酬がかかります。
そのような、死後に支払う予定の申告報酬を前払いすることによって、大きな節税効果を生み出すことも可能です。
ただし、税理士事務所によっては受付けていないような事務所もあるようなので、
お問い合わせされることをおすすめします。
当事務所でも、相続対策を始め、どのようなご相談でも初回面談無料でおこなっておりますので、是非お気軽にお問い合わせください。
なお、ウェブ面談も対応可能でございますので、ご希望の方はお申し付けください。
条件が合えばすぐにできる節税
教育資金贈与
親や祖父母から、30歳未満の子や孫に対して教育資金を贈与する場合、1,500万円までが非課税となる制度です。
学校だけでなく、習い事や定期代なども対象となります。
ただし、贈与を受けた人が30歳になった時に、贈与を受けた金額のうち、まだ使っていない金額があれば、その残高に贈与税が課税されてしまう事にご注意ください。
住宅取得資金贈与
親や祖父母から、20歳以上の子や藻後に対して住宅資金を贈与する場合、最大1,500万円までが非課税とされていました。
しかし、令和3年12月に公表された「2022年度税制改正大綱」によると、この非課税限度額は最大1,000万円に引き下げられることが発表されました。
この非課税制度を最大限活用するためには、贈与を受ける人の所得の制限があったり、取得する住宅の性能によって非課税額が変わるという注意点がありますので、ご利用される場合は、税理士に相談のうえご検討ください。
結婚子育て資金贈与
親や祖父母から、結婚、出産、子育ての資金を贈与された場合、1,000万円まで非課税となる制度です(結婚式の費用は300万円まで)。
ただし、贈与を受けた人が50歳になった時に、贈与を受けた金額のうち、まだ使っていない金額があれば、その残高に贈与税が課税されてしまう事にご注意ください。
さらに、この特例の特殊な点として、
贈与した親や祖父母が、贈与を受けた人が50歳になるよりも早く亡くなった場合には、贈与を受けた金額のうち、まだ使っていない金額があれば、その残高に相続税が課税されてしまうという注意点があります。
贈与した人の亡くなるタイミングで、特例の適用が消滅する可能性のある珍しい特例です。
死亡退職金
死亡退職金の活用は、「1-2生命保険」でご紹介した生命保険の非課税枠と非常に似た制度です。
死亡退職金は、相続が発生した場合には「財産」として相続税の課税対象となるのですが、
下記の計算式の金額までは非課税なのです。
500万円×法定相続人の数
※法定相続人とは、法律上、遺産を相続する権利が認められている人のことを言います。
ここでは代表的な3パターンだけ押さえておきましょう。
- 子供がいる場合は配偶者と子供が法定相続人になります。
- 子供がいない場合は、配偶者と親が法定相続人になります。
- 子供も親もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になります。
王道!不動産による節税
収益不動産の購入
不動産を活用した節税は、相続税の節税対策の中でも節税効果が大きく、王道とされています。
特に、賃貸不動産を建設した場合は、購入した金額よりも60%以上も評価額が下がることも多く、節税インパクトが大きいです。
なぜこれほど節税効果が大きいかと言うと、その理由は大きく2点あります。
- 「市場価格」よりも「相続税の計算上の時価」の方が低い
- 第三者に賃貸している不動産は、「相続税の計算上の時価」をさらに減額させる特例がある
特に「市場価格」と「相続税の計算上の時価」のかい離が大きい不動産は、ワンルームマンションやタワーマンションです。
タワーマンションについては特にかい離が激しいので、国税庁から固定資産税評価額の見直しが入ったものの、実質は数%程度の増税にとどまっているため、未だにその節税効果は健在です。
ただし、自宅の近くに土地を購入してアパートを建設されるようなケースは注意が必要です。
節税効果が大きいとは言えど、空室ばかりでは運営そのものが厳しくなります。
入居者が十分に入る見込みがあって、銀行のローンの返済が可能であるのか等、適切にシミュレーションをしたうえでご検討ください。
もちろん、不動産投資ですので、物件の価格の変動の可能性もありますので、節税効果だけに意識を向けるのではなく、このようなリスクも考慮したうえでご検討ください。
小口不動産
大規模な収益不動産の購入ができないような方や、大都市圏の物件を安く手に入れたいような方、何より大きな節税効果を出したいような方に有効なのが、この小口不動産です。
あまり聞きなれないとは思いますが、
大都市の一等地の不動産を何人かで共同購入するようなイメージです。
物件にもよりますが、相続税の評価額を80%以上も減額させるような物件もあり、最近話題の手法です。
ただし、小口不動産は1口あたり1,000万円単位のものが多く、
- 借入での購入ができない
- 物件自体の利回りはあまり期待できない
という点は注意が必要です。
もちろん、不動産投資ですので、物件の価格の変動の可能性もありますので、節税効果だけに意識を向けるのではなく、このようなリスクも考慮したうえでご検討ください。
養子縁組
養子縁組も相続税の節税の効果があります。
節税ができる主な理由はこの3点です。
- 基礎控除額が大きくなる
- 非課税枠が多く使える
- 相続税が一代飛ばせる
基礎控除とは、遺産のうち「相続税がかからない額」のことです。
つまり、基礎控除以下の遺産は相続税が免除されるということです。
基礎控除の計算式はこのようになっています。
3,000万円+法定相続人の数×600万円
養子縁組をすると、養親の相続人が1名増えることとなります。
つまり、養子1人増えると「相続税がかからない遺産」が600万円増えるのです。
さらに、先ほどご紹介したような「生命保険の非課税枠」と「死亡退職金の非課税枠」も増える効果をもたらします。
生命保険と死亡退職金は、下記の計算式の金額が非課税となります。
500万円×法定相続人の数
つまり、1人養子縁組することで、500万円分の遺産に対して相続税がかからなくなるのです。
そして極めつけに、本来は遺産が
祖父母→親→孫
と移動するにあたって2回相続税が課税されるのに対し、養子縁組をすると
祖父母→孫
と1回しか相続税が課税されないという節税効果もあります。
ただし、節税が認められる養子の数は、実子がいる場合には1人まで、実子がいない場合は2人までと決められていたり、
孫を養子に迎えた場合は相続税が2割増しになるといったデメリットも存在します。
実際に養子縁組を検討される場合は、
どのくらい節税の効果を出すことができるのかが、お客様ごとに異なってきます。
相続に詳しい税理士のアドバイスのもと、正しくプランニングしていきましょう。
まとめ
相続税の申告は、誰しもが何度も経験するものではありません。
言ってみれば、みなさん全員が初心者なのです。
税理士ですら相続税については詳しくない税理士が多いので、
みなさんが相続について詳しくないのは当然のことです。
なんと、税理士に依頼したとしても担当税理士によって納税額は何倍にも変わってくることがあるくらい、相続税は特殊な税金なのです。
落とし穴に気づかなければ大きな損をしてしまう可能性があるので、
自己判断で進めていくのは危険です!
私たちは相続に特化した税理士事務所として、「相続初心者の方向け」のサービスを徹底しています。
多くの方が感じている税理士の敷居の高さを壊して、安心して任せていただけるよう、
わかりやすいサポートを行うことをモットーとしています。
相続税の概算や、生前対策の相談なども行っておりますので、お気軽にご連絡ください。
ウェブ面談も受け付けておりますので、ご希望の方はお申し付けください。
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