土地にかかる相続税の金額を知りたい人に向けて、土地にかかる相続税の金額や土地の相続税申告で使える控除について紹介します。
それでは、見ていきましょう。
土地にかかる相続税の計算方法
土地にかかる相続税の計算をする際には、以下の3つのステップを踏む必要があります。
- 土地の不動産評価額の計算
- 不動産評価額に対して必要な相続税の税額の計算
- 財産を取得した割合に応じて税額を計算
また、土地にかかる相続税は遺産評価額が、【3000万円+(600万円×法定相続人の数)】であれば非課税となり相続税を支払う必要がありません。
土地に相続税がかからないのはどのような場合?
土地に相続税がかからない場合は、以下のような場合があります。
- 相続税の非課税措置に該当する場合
- 特例措置により相続税が減免される場合
相続税の非課税措置に該当する場合
相続税法では、相続人が法定相続人の場合や、相続財産が一定額以下である場合など、非課税措置が定められています。
土地についても、相続人や相続財産の状況によっては、相続税が非課税となる場合があります。
特例措置により相続税が減免される場合
相続税法では、農地や林地などの特定の土地については、相続税が減免される特例措置が定められています。
また、居住用の住宅についても、相続人が継続して居住することを条件に、相続税の減免が認められる場合があります。
ただし、非課税措置や特例措置が適用されるかどうかは、相続人や相続財産の状況によって異なります。そのため、相続税については、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
土地の相続税申告で使える控除とは?
土地の相続税申告で使える控除には、以下のものが挙げられます。
- 小規模宅地等の特例
- 配偶者控除
- 未成年者控除
- 障害者控除
- 相次相続控除
小規模宅地等の特例
相続税における小規模宅地等の特例とは、国税庁によると以下の通りです。
個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用または居住の用に供されていた宅地等(土地または土地の上に存する権利をいいます。以下同じです。)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記の「減額される割合等」の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します。 なお、相続時精算課税に係る贈与によって取得した宅地等および「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除」の適用を受けた特例事業受贈者に係る贈与者または「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」の適用を受ける特例事業相続人等に係る被相続人から相続または遺贈により取得した特定事業用宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。 |
配偶者控除
相続税における配偶者控除とは、国税庁によると以下の通りです。
配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。 |
- 1億6千万円
- 配偶者の法定相続分相当額
この配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。
したがって、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
ただし、相続税の申告書または更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、税額軽減の対象になります。
なお、相続税の申告期限から3年を経過する日までに分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割されたときも、税額軽減の対象になります。
未成年者控除
相続税における未成年者控除とは、国税庁によると以下の通りです。
未成年者控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。
- ★相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。)、または
★相続や遺贈により財産を取得したときに日本国内に住所がない人でも次のいずれかに当てはまる人- 日本国籍を有しており、かつ、その人が相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがある人
- 日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人(被相続人が、外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。)
- 日本国籍を有していない人(被相続人が、外国人被相続人、非居住被相続人または非居住外国人である場合を除きます。)
- 相続や遺贈で財産を取得したときに18歳(注)未満である人
- 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。
また、未成年者控除の額は以下の通りです。
未成年者控除の額は、その未成年者が満18歳になるまでの年数1年につき10万円で計算した額です。
また、年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。
例えば、未成年者の年齢が15歳9か月の場合は、9か月を切り捨て15歳で計算します。
この場合、18歳までの年数は3年になります。
したがって、未成年者控除額は、10万円×3年で30万円となります。
なお、未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。
この場合は、その引き切れない部分の金額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。
また、その未成年者が今回の相続以前の相続においても未成年者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。
障害者控除
相続税における障害者控除とは、国税庁によると以下の通りです。
障害者控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。
- 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。)
- 相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人
- 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。
障害者控除の額は、以下の通りです。
障害者控除の額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。)につき10万円で計算した額です。
この場合、特別障害者の場合は1年につき20万円となります。
また、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。
この場合は、その引き切れない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。
なお、その障害者が今回の相続以前の相続においても障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。
相次相続控除
相続税における相次相続控除とは、国税庁によると以下の通りです。
今回の相続開始前10年以内に被相続人が相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得し相続税が課されていた場合には、その被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人の相続税額から、一定の金額を控除します。
相次相続控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。
- 被相続人の相続人であること。この制度の適用対象者は、相続人に限定されていますので、相続の放棄をした人および相続権を失った人がたとえ遺贈により財産を取得しても、この制度は適用されません。
- その相続の開始前10年以内に開始した相続により被相続人が財産を取得していること。
- その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、被相続人に対し相続税が課税されたこと。
相続時精算課税制度とは?
相続時精算課税制度は、2,500万円まで贈与税を納めずに贈与できる制度です。
そして、贈与をした人が亡くなった際には、贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額から相続税額を計算し、一括して相続税として納税します。
贈与するものは、現金のみではなく土地や不動産でも問題ありません。
そのため、土地や不動産を相続時精算課税制度を使って贈与することで、相続税額の支払い金額を抑えられる可能性があります。
相続時精算課税制度の適用対象者は、国税庁によると以下の通りです。
贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母など、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において18歳(注)以上の者のうち、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫 |
とされています。
なお、贈与により「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(措法70の7の5)」の適用に係る非上場株式等を取得する場合、贈与者が贈与をした年の1月1日において60歳以上であれば、受贈者が贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人以外の者(贈与を受けた年の1月1日において18歳(注)以上の者に限ります。)でも適用できます。
また、贈与により「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除(措法70の6の8)」の適用に係る事業用資産を取得する場合、贈与者が贈与をした年の1月1日において60歳以上であれば、受贈者が贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人以外の者(贈与を受けた年の1月1日において18歳(注)以上の者に限ります。)でも適用できます。
まとめ
相続は、相続専門の税理士に依頼することでスムーズに、そして適切に申告をすることが可能です。
相続税の申告・生前対策のご相談なら相続特化の提案型税理士事務所である「アスク税理士事務所」にご相談ください。