相続税の小規模宅地の特例について知りたい人に向けて、相続税の小規模宅地の特例、小規模宅地等の特例の対象になるものについて紹介します。
それでは、見ていきましょう。
小規模宅地等の特例とは?
小規模宅地等の特例は、国税庁によると以下の通りです。
個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用または居住の用に供されていた宅地等(土地または土地の上に存する権利をいいます。以下同じです。)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記の「減額される割合等」の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します。 なお、相続時精算課税に係る贈与によって取得した宅地等および「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除」の適用を受けた特例事業受贈者に係る贈与者または「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」の適用を受ける特例事業相続人等に係る被相続人から相続または遺贈により取得した特定事業用宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。 |
小規模宅地等の特例の対象になるものとは?
小規模宅地等の特例の対象になるものは、以下のものです。
- 特定事業用宅地等
- 特定同族会社事業用宅地等
- 貸付事業用宅地等
- 日本郵便株式会社に貸し付けられている一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地
特定事業用宅地等
特定事業用宅地等は、国税庁によると以下の通りです。
相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業および準事業を除きます。)の用に供されていた宅地等(その相続の開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等(「3年以内事業宅地等」といいます。以下同じです。)で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件のすべてに該当する被相続人の親族が相続または遺贈により取得したものをいいます。 |
被相続人の事業の用に供されていた宅地等
- 事業承継要件:その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。
- 保有継続要件:その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等
- 事業継続要件:相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。
- 保有継続要件:その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
特定同族会社事業用宅地等
特定同族会社事業用宅地等は、国税庁によると以下の通りです。
相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業および準事業を除きます。)の用に供されていた宅地等で、次の表に掲げる要件のすべてに該当する被相続人の親族が相続または遺贈により取得したものをいいます。 |
一定の法人の事業の用に供されていた宅地等
- 法人役員要件:相続税の申告期限においてその法人の役員(法人税法第2条第15号に規定する役員(清算人を除きます。)をいいます。)であること。
- 保有継続要件:その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
貸付事業用宅地等
相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業および準事業(注1)に限ります。以下「貸付事業」といいます。)の用に供されていた宅地等(その相続の開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(「3年以内貸付宅地等」といいます。以下同じです。)(注2)を除きます。)で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件のすべてに該当する被相続人の親族が相続または遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件のすべてに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続または遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等
- 事業承継要件:その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること。
- 保有継続要件:その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等
- 事業継続要件:相続開始前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること。
- 保有継続要件:その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
日本郵便株式会社に貸し付けられている一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地
日本郵便株式会社に貸し付けられている一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地は、国税庁によると以下の通りです。
日本郵便株式会社に貸し付けられている郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等については、次の要件のすべてを満たす場合、特定事業用宅地等に該当するものとして、この特例の適用を受けることができます。
- 平成19年9月30日以前から被相続人またはその相続人が旧日本郵政公社との間の賃貸借契約に基づき郵便局の用に供するために貸し付けられていた一定の建物(以下「郵便局舎」といいます。)の敷地の用に供されていた宅地等であること。
- 平成19年10月1日から相続の開始の直前までの間において、その賃貸借契約の契約事項に一定事項以外の事項の変更がない賃貸借契約に基づき、引き続き、郵便局舎の敷地の用に貸し付けられていた宅地等であること。(貸付先は、平成19年10月1日から平成24年9月30日までの間にあっては郵便局株式会社、平成24年10月1日から相続開始の直前までの間にあっては日本郵便株式会社)
- その宅地等を取得した相続人から相続の開始の日以後5年以上その郵便局舎を日本郵便株式会社が引き続き借り受けることにより、その宅地等を同日以後5年以上郵便局舎の敷地の用に供する見込みであることについて総務大臣の証明がなされたものであること。
- 郵便局舎の宅地等について、既にこの特例の規定の適用を受けていないこと。(賃貸人一代限り)
小規模宅地等の特例適用時の相続人の要件とは?
小規模宅地等の特例を適用するための相続人の要件は、以下の通りです。
- 宅地の相続人が親族であること:小規模宅地等の特例は、相続人の親族に対してのみ適用されます。具体的には、配偶者、子、孫、父母、祖父母、兄弟姉妹などが該当します。
- 宅地の相続人が相続分によって共有すること:宅地が相続分によって複数の相続人によって共有されている場合に、小規模宅地等の特例を適用することができます。
- 宅地の相続人が居住すること:小規模宅地等の特例は、相続人が宅地に居住する場合に限り適用されます。ただし、一定期間内に居住しなければならない期間が設けられる場合もあります。
以上のように、小規模宅地等の特例を適用するためには、相続人が親族であること、相続分によって共有していること、そして居住することが必要です。
なお、詳細な条件や手続きについては、地方自治体によって異なるため、事前に確認することが必要です。
相続税の小規模宅地の特例は税理士に相談すべき理由とは?
相続税の小規模宅地の特例は税理士に相談すべき理由は、以下の3つです。
- スムーズに特例の適用ができる
- 税理士の専門的なアドバイスをもらえる
- 手続きも代行してもらえる
スムーズに特例の適用ができる
相続税の小規模宅地の特例は税理士に相談すべき理由の一つに、スムーズに特例の適用ができるということが挙げられます。
税理士に小規模宅地の特例について相談することで、税理士がどのように手続きをすればいいのか、どのようなケースで小規模宅地の特例を使うことができるのかを教えてくれます。
このように税理士が持っている過去の経験や知識などをもとに、自分がそもそも小規模宅地の特例を使うことができるのか、そして小規模宅地の特例を使う場合はどのような手続きを踏む必要があるのかを教えてくれるというのは大きな魅力でしょう。
税理士の専門的なアドバイスをもらえる
相続税の小規模宅地の特例は税理士に相談すべき理由の一つに、税理士の専門的なアドバイスをもらえることが挙げられます。
小規模宅地の特例を使うことで、相続税の納付金額を抑えることが出来ます。
それだけではなく、税理士に相談をすることで、小規模宅地の特例以外の特例や控除なども教えてもらうことが可能です。
例えば、不動産の場合は様々な評価方法があり、かつ減額要素も多くあります。
このような減額要素をひとつひとつ洗い出してもらい、自分が適用できるのかなどを判断することができれば、不動産評価額を抑えることができ、不動産評価額から判断される相続税の納付額も抑えることができる可能性が高いです。
手続きも代行してもらえる
相続税の小規模宅地の特例は税理士に相談すべき理由の一つに、手続きまで代行してもらえることが挙げられます。
小規模宅地の特例を税理士に相談することで、税理士は小規模宅地の特例適用までの手続きを行ってくれます。そのため、小規模宅地の特例について詳しく知らなくても小規模宅地の特例を適用できるだけではなく、ミスなく適用しやすいというのが大きな魅力です。
まとめ
相続は、相続専門の税理士に依頼することでスムーズに、そして適切に申告をすることが可能です。
相続税の申告・生前対策のご相談なら相続特化の提案型税理士事務所である「アスク税理士事務所」にご相談ください。