相続税申告書の書き方について知りたい人に向けて、この記事では相続税申告書の書き方や税理士に依頼するメリットを紹介します。
それでは、見ていきましょう。
相続税の納付が必要になる基準とは?
相続税の申告が必要なのは、以下の場合と国税庁より提示されています。
被相続人から相続などによって財産を取得した人の相続財産等の合計額が「遺産に係る基礎控除額」を超える場合に、その財産を取得した人は相続税の申告をする必要があります。
【遺産に係る基礎控除額 =3,000万円+(600万円×法定相続人の数)】
相続税申告書の書き方とは?
相続税申告書の書き方は以下の手順になります。
- 第9表から第15表で、相続税のかかる財産及び被相続人の債務等を明確にする
- 第1表、第2表で、課税合計額を計算し、相続税の総額を明確にする
- 第4表から第8表で、税額控除額を計算し、第1表からわかる課税合計額から控除額を差し引いて相続税額を算出する
また、相続税申告書では以下の表の記載が必要になります。
- 第1表:課税価格、相続税額について
- 第2表:相続税の総額について
- 第3表:農業を営む相続人がいる場合について
- 第4表:相続税の加算金額の計算書について
- 第4表の2:暦年課税分の贈与税額控除額の計算書
- 第5表:配偶者の税額軽減について
- 第6表:未成年者控除・障害者控除について
- 第7表:相次相続控除について
- 第8表:外国税額控除などについて
- 第9表:生命保険金などについて
- 第10表:退職手当金などについて
- 第11・11の2表の付表1~4:小規模宅地等の特例、特定計画山林の特例などについて
- 第12表:農地の納税猶予適用などについて
- 第13表:債務葬式費用などについて
- 第14表:相続開始前3年以内の贈与財産などについて
- 第15表:相続財産の種類別価額表などについて
相続税申告書を作成する際に必要な書類とは?
ここでは、相続税申告書を作成する際に必要な書類について紹介します。
本人確認書類
- マイナンバーカード(個人番号カード)【裏面】
- マイナンバーカード(個人番号カード)【表面】
- 通知カードの写し
- 住民票の写し(マイナンバーの記載があるものに限ります。)②
- 運転免許証の写し
- 身体障害者手帳の写し
- パスポートの写し
- 在留カードの写し
- 公的医療保険の被保険者証の写し
相続税申告書に添付する提出
- 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本(相続開始の日から10日を経過した日以後に作成されたもの)
- 図形式の法定相続情報一覧図の写し(子の続柄が実子又は養子のいずれであるかが分かるように記載されたものに限ります。)
- 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し
- 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)
相続税申告書を書く際の注意点とは?
相続税申告書を書く際の注意点には、以下の3つが挙げられます。
- 期限までに申告する必要がある
- 添付書類が必要になる
- 課税ラインの判断ミスをしない
期限までに申告する必要がある
相続税申告を作成する際の注意点の一つに、期限までに申告する必要があるということが挙げられます。
相続税申告書はいつ出してもいいものではなく、被相続人となる人が死亡したことを知った日から10か月以内に提出する必要があります。
10ヶ月以内に提出することができないと申告漏れという形で罰則の対象です。
一方で、相続税申告書を記載するためには書類を集める必要があり、個人で相続税申告書を記載する場合、計画的に進めないと10か月以内に書き終わらないこともあります。
そのため、事前にしっかりスケジュールを組むことが重要になります。
添付書類が必要になる
相続税申告を作成する際の注意点の一つに、添付書類が必要になるということが挙げられます。
相続税申告書を作成する際には、本人確認書類や申告書に添付しなくてはいけない書類が決められています。
それだけではなく各種特例を適用する場合には、特例を適用するための書類を別途添付することが必要です。
課税ラインの判断ミスをしない
相続税申告を作成する際の注意点の一つに、課税ラインの判断ミスをしないということが挙げられます。
相続税は、相続した場合に必ず必要になるものではなく、法定相続人の数と相続資産の評価額によって課税対象になるかどうか決まります。
一方で、素人で自分が課税ラインであるかどうかを判断するのは難しく、本来は課税対象であるにも関わらず課税ラインではないと判断し、申告漏れが発生するケースもあります。
不動産や土地、非上場株式の場合、評価方法によっては評価額が異なり、国税庁の判断では課税対象であるとされることもあるためです。
そのため、相続税申告書を作成する際には相続資産の評価額を確認するとともに、課税ラインを越えているのか、いないのかも税理士の判断を仰いだ方が安全と言えるでしょう。
相続税申告の税理士選びに失敗しない方法とは?
相続税申告の税理士選びに失敗しない方法は、以下の通りです。
- 口コミでの評判が高いかどうか
- 相続税申告の実績があるかどうか
- 相場と同水準の料金体系であるかどうか
口コミでの評判が高いかどうか
相続税申告の税理士選びに失敗しない方法の一つに、口コミでの評判が高いかどうかを事前に確認することが挙げられます。
税理士を選ぶ際に、どのような税理士がいいのかがわからない人も多いでしょう。
というのも税理士を利用する機会は一般の人にとってそこまで多くなく、どのような税理士がいい税理士なのかの判断基準を持っていない人が多いためです。
そこで有効になるのが口コミサイト内に掲載されている税理士の口コミです。
最近では、Google検索に表示される口コミタブを見ることに税理士事務所の口コミかや場合によってはバイネームで税理士の口コミが見れることもあります。
口コミを見た上でホームページに記載されている内容と相違がないかを確認することが有効です。
例えばホームページには依頼者に寄り添った税理士業務を行うと記載されているにも変わらず、口コミサイトを見てみると依頼者に寄り添ったものではなく、実際には利益につながる案件しかを真剣に取り組んでくれないなどの口コミが記載されていることもあります。
相続税申告の実績があるかどうか
相続税申告の税理士選びに失敗しない方法の一つに、相続税申告の実績があるかどうか確認することが挙げられます。
そもそも税理士と言っても、全ての分野に長けているかと言われるとそうではなく、税理士の資格を持っている人のなかでも、自分が得意にしている分野はさまざまで、自分の専門外の分野については深く理解していないことも多いです。
そのような背景から相続税の申告の依頼をしたい場合は、相続税を専門に扱っている事務所を利用した方がいいでしょう。
そして、相続税業務に強い税理士事務所であるかどうかを判断するためには、過去に相続税申告の実績があるかどうか、そして申告数が年間どのくらいなのかを確認すると良いです。
相場と同水準の料金体系であるかどうか
相続税申告の税理士選びに失敗しない方法の一つに、相場と同水準の料金体系であるかどうかを確認することが挙げられます。
相続税申告の場合、一般的な相場では遺産総額の0.5〜1.0%が目安とされています。
そのため、不当に高額な依頼料を請求された場合は、ユーザーに寄り添っていない税理士事務所である可能性が高いです。
また、地域によって相場も異なるので、その地域での相場と同水準の料金体系であるかを調べるためには、同じ地域の複数の税理士事務所に同じ条件で見積もりをとることが重要になります。
相続税申告書の作成は税理士に依頼した方がいい理由とは?
相続税申告書の作成は税理士に依頼した方がいい理由は、以下の3つです。
- 記載ミスを減らせる
- 税理士の署名入りの申告書を作成できる
- 特例の適用漏れを防げる
記載ミスを減らせる
相続税申告書の作成を税理士に依頼した方が良い理由の一つに、記載ミスを減らせるということが挙げられます。
相続税申告書の作成を税理士に依頼することで、年間数百枚の相続税申告書を記載している税理士なのでミスをする可能性が低いのが特徴です。
個人で相続税申告書を記載することは可能ですが、記載漏れや申告漏れが発生する可能性が非常に高いです。
記載漏れや申告漏れがあり、本来納めなくてはいけない金額よりも低かった場合、追徴課税の対象になります。
税理士の署名入りの申告書を作成できる
相続税申告書の作成を税理士に依頼した方が良い理由の一つに、税理士の署名入りの申告書を作成できるということが挙げられます。
税理士に相続税申告書を作成してもらうことで、相続税申告書に税理士の名前が入ります。
税理士の名前が入るからといって国税庁の審査が無くなるなどの特別なことはありませんが、税理士の名前が入っているということで信頼度が高くなるのは事実です。
特に、相続税申告は年間の申告数が多く、国税庁も全ての申告書を細かく裏ドリをして確認している訳ではありません。
国税庁は、明らかに納付金額がおかしいものを対象にチェックしているというのが現状です。
そのような背景もあり、税理士の署名がある書類はある程度チェックを通り抜けやすいと言われています。
特例の適用漏れを防げる
相続税申告書の作成を税理士に依頼した方が良い理由の一つに、特例の適用漏れを防げるということが挙げられます。
相続税申告においては、さまざまな特例があり、例えば配偶者が相続する場合は配偶者特例を受けることもできますし、小規模の土地の場合は相続税を最大80%減額する特例を受けることも可能です。
このように様々な特例がある中で、自分が本来適用されるはずの特例を適用できないという事態を防ぐためにも、税理士に依頼するメリットは大きいと言えるでしょう。
まとめ
相続は、相続専門の税理士に依頼することでスムーズに、そして適切に申告をすることが可能です。
相続税の申告・生前対策のご相談なら相続特化の提案型税理士事務所である「アスク税理士事務所」にご相談ください。