相続税が払えない時の対処法を知りたい人に向けて、この記事では相続税が払えない時の対処法や相続税が支払えなくなる前にできる対策についても紹介します。
それでは、見ていきましょう。
相続税を払えない際の対処法とは?
相続税を払えない際の対処法には、以下のものが挙げられます。
- 分割して納付する
- 相続税を代わりの財産で支払う
- 相続資産を売却して支払う
- 各種ローンを組んで支払う
- 相続放棄をする
分割して納付する
相続税を払えない際の対処法の一つに、分割して納付する方法が挙げられます。
国税は、金銭で一時に納付することが原則ですが、場合によっては分割して納付できるとされています。
具体的には、以下の場合は分割して納付することが可能です。
- 相続税額が10万円を超えること。
- 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
- 延納税額および利子税の額に相当する担保を提供すること。ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。
- 延納申請に係る相続税の納期限または納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。
相続税を代わりの財産で支払う
相続税を払えない際の対処法の一つに、相続税を代わりの財産で支払う方法が挙げられます。
国税は金銭で納付することが原則ですが、場合によっては相続税を代わりの財産で支払うことが可能です。
相続税を代わりの財産で支払えるのは、以下のような場合です。
- 延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。
- 物納申請財産は、納付すべき相続税額の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、次に掲げる財産および順位(1から5の順)で、その所在が日本国内にあること。
<第1順位>
不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等(特別の法律により法人の発行する債券および出資証券を含みますが、短期社債等は除かれます。)
不動産および上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
<第2順位>
非上場株式等(特別の法律により法人の発行する債券および出資証券を含みますが、短期社債等は除かれます。)
非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
<第3順位>
動産
※後順位の財産は、税務署長が特別の事情があると認める場合および先順位の財産に適当な価額のものがない場合に限って物納に充てることができます。
※特定登録美術品(美術品の美術館における公開の促進に関する法律第2条第3号に規定する登録美術品で相続開始の時において既に登録を受けているものをいいます。)については、上記の順序にかかわらず一定の書類を提出することにより物納に充てることができます。
- 物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないものであることおよび物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。
※自然公園法の国立公園特別保護地区等内の土地で平成26年3月31日までに環境大臣と風景地保護協定を締結していることその他一定の要件を満たすものは、物納劣後財産に該当しないものとして取り扱います。
- 物納しようとする相続税の納期限または納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。
相続資産を売却して支払う
相続税を払えない際の対処法の一つに、相続資産を売却して支払う方法が挙げられます。
相続税を支払うことができない場合に、相続した資産を売却して現金を作ることで、相続税を支払える場合があります。
また、相続した資産を売却して現金を作る場合「相続税の取得費加算の特例」を利用することが可能です。
「相続税の取得費加算の特例」は、相続税の申告書の提出期限の翌日から3年以内に売却した場合は、相続税のうち一定の金額を取得費に加算することができるというもので、以下の条件を満たす人が対象になります。
- 相続や遺贈により財産を取得した人
- 財産を取得した人に相続税が課税されていること
各種ローンを組んで支払う
相続税を払えない際の対処法の一つに、各種ローンを組んで支払う方法が挙げられます。
相続税を支払うことができない場合、かつ相続した資産を売却したくない場合は、ローンを組んで相続税を支払うこともあります。
相続した資産を相続登記をすることで、相続した不動産を担保にお金を借りることができます。
そのため、銀行から不動産を担保にお金を借りて相続税を支払うという人も多いです。
特に、収益不動産や先祖代々の土地を持っている場合、土地や不動産そのものを売却することはできないので、土地や不動産を担保にしてローンを組んで相続税を支払うという人は多くいます。
相続放棄をする
相続税を払えない際の対処法の一つに、相続放棄をする方法が挙げられます。
相続放棄をすることで被相続人の資産を相続する権利が消失し、その結果相続にかかる相続税の支払いも免れることが可能です。
相続放棄をする際には、相続人は被相続者の死亡を知った日から3ヶ月以内に相続放棄の手続きをする必要があります。
相続税を支払えない際は税理士に相談すべき理由とは?
相続税を支払えない際は税理士に相談すべき理由は、以下の3つです。
- 資産評価で減額要素を指摘してくれる
- 節税方法の提案がある
- 相続税対策を指南してくれる
資産評価で減額要素を指摘してくれる
相続税を支払えない際は税理士に相談すべき理由の一つに、資産評価で減額要素を指摘してくれることが挙げられます。
相続税を支払うことができない要因の一つに、相続した土地や不動産、株式の評価額が高くなっており、評価額に対してかかる相続税の金額が高くなっていることが挙げられます。
土地や不動産、株式に関しては様々な評価方式があり、場合によっては必要以上に高く評価されていることもあります。
このような背景から資産評価で減額要素を指南してくれるというのは、税理士に相続税を支払えない際に相談すべき理由です。
税理士の場合、どのようにすれば資産の評価額を減らすことができるかを合法的な範囲で指摘してくれます。
そのため、相続税の金額を抑えることができ、相続税も支払いやすくなると言えるでしょう。
節税方法の提案がある
相続税を支払えない際は税理士に相談すべき理由の一つに、節税方法の提案があることが挙げられます。
税理士に相談をすることで税理士の税金に対しての知識・経験をもとに節税方法を提案してくれます。
相続税一つとっても様々な方法で節税することは可能です。
このような背景から相続税に強い税理士に相談をすることで、過去の事例をもとにどのようにすれば税金の支払い金額を抑えることができるか、また相続税の支払い金額はどのようにしたら、より安くなるのかを提案してくれるのも大きな特徴です。
相続税対策を指南してくれる
相続税を支払えない際は税理士に相談すべき理由の一つに、相続税対策を指南してくれることが挙げられます。
被相続人が保有している資産が多く、相続をした際に相続税の支払いが困難になると想定される場合、被相続人が生存しているうちに税理士事務所に相談をすることで、被相続人が生存しているうちだからできる相続税対策を指南してくれることがあります。
例えば、何も建っていない土地の場合、相続税の金額が高くなるので収益不動産を建てるなどが一つの相続税対策としてあげられます。
相続税を支払うための相続税対策とは?
相続税を支払うための相続税対策には、以下のものが挙げられます。
- 生前贈与を行う
- 相続時精算課税制度を利用する
- 現金で相続資産を保有する
生前贈与を行う
相続税を支払うための相続税対策の一つに、生前贈与を行うことが挙げられます。
被相続人がなくなる前に生前贈与を行う場合、年間110万円までは基礎控除額に含まれるので、税金を支払うことなく資産を譲渡することが可能です。
また、子または孫の教育資金として財産を贈与する場合、子または孫1人につき1,500万円までは非課税枠が用意されているので、教育資金として譲渡する場合も利用することができます。
相続時精算課税制度を利用する
相続税を支払うための相続税対策の一つに、相続時精算課税制度を利用することが挙げられます。
相続時精算課税とは、60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度のことです。
相続時精算課税制度では、受贈者が2,500万円まで贈与税を納めずに贈与を受けることができます。
現金で相続資産を保有する
相続税を支払うための相続税対策の一つに、現金で相続資産を保有することが挙げられます。
相続税を支払う際に土地や不動産などが多い場合、それらの土地や不動産を売却しないと現金を作ることができず、結果的に相続税を支払いにくくなってしまうということも多いです。
そのため、被相続人の方は土地や不動産に全ての資産を変えるのではなく、一定金額は現預金として相続をすることで相続人が相続税を支払うのに窮するという状況を脱することができます。
また、土地や不動産の場合、現金化するにしてもすぐに現金化できないだけではなく、当時の価格よりも低い価格で現金化をしなくてはいけないこともあります。
ローンに関しても土地や不動産を担保にしてローンを組むためには、相続登記が行われていることが条件で、ハードルが高くなっているのも事実です。
まとめ
相続は、相続専門の税理士に依頼することでスムーズに、そして適切に申告をすることが可能です。
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