相続財産管理人について知りたい人に向けて、相続財産管理人とはどのような人なのか、相続財産管理人の申し立て方法について詳しく紹介します。
それでは、見ていきましょう。
相続財産管理人とは
相続財産管理人とは、相続人が遺産分割協議や遺言書の執行等によって相続財産を取得した際、相続財産を管理するために任命される人のことです。
具体的には、相続財産の管理、保全、評価、債務の清算、相続税の申告等の業務を行います。
相続財産管理人には、相続人自身がその任務を引き受けることもできますが、複数の相続人がいる場合には、任意の相続人が相続財産管理人になることもあります。
また、相続人が全員同意しなければならない場合もあります。
相続財産管理人は、その業務を適切に行うために、必要な書類の作成や銀行口座の開設、不動産の売却手続き等を行います。
相続財産管理人は、相続人の代理人として業務を行うため、適切なプロフェッショナルに依頼することが多いです。
相続財産管理人の申し立てに必要な種類とは?
相続財産管理人の申し立てに必要な種類は、裁判所によると以下の通りです。
- 申立書(6の書式及び記載例をご利用ください。)
- 標準的な申立添付書類
- 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 被相続人の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 被相続人の兄弟姉妹で死亡している方がいらっしゃる場合、その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 代襲者としてのおいめいで死亡している方がいらっしゃる場合、そのおい又はめいの死亡の記載がある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
- 財産を証する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書)、預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し、残高証明書等)等)
- 利害関係人からの申立ての場合、利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)、金銭消費貸借契約書写し等)
- 財産管理人の候補者がある場合にはその住民票又は戸籍附票
※同じ書類は1通で足ります。
※もし、申立前に入手が不可能な戸籍等がある場合は、その戸籍等は申立後に追加提出することでも差し支えありません。
※戸籍等の謄本は、戸籍等の全部事項証明書という名称で呼ばれる場合があります。
※審理のために必要な場合は、追加書類の提出をお願いすることがあります。
相続財産管理人の役割
相続財産管理人の役割には、以下のものが含まれます。
- 相続財産の保全
- 相続財産の評価
- 相続財産の債務の清算
- 相続財産の分配
相続財産の保全
相続財産管理人の役割の一つには、相続財産の保全が挙げられます。
相続財産管理人は、相続財産を保全する責任があります。
つまり、相続財産が壊れたり、盗まれたりしないように、適切に管理しなければなりません。
そのために、相続財産管理人は、適切な保険の加入や、財産の点検、修繕、保管、保険金の受取りなどを行います。
相続財産の評価
相続財産管理人の役割の一つには、相続財産の評価が挙げられます。
相続財産管理人は、相続財産を適切に評価しなければなりません。
つまり、相続財産がどの程度の価値があるのかを正確に把握する必要があります。
そのために、相続財産管理人は、必要に応じて査定士を依頼し、適切な評価を行います。
相続財産の債務の清算
相続財産管理人の役割の一つには、相続財産の債務の清算が挙げられます。
相続財産管理人は、相続財産についての債務の清算を行わなければなりません。
つまり、相続人が負担すべき借金や請求された未払いの請求書などがある場合には、それらを適切に清算する責任があります。
相続財産の分配
相続財産管理人の役割の一つには、相続財産の分配が挙げられます。
相続財産管理人は、相続財産の分配についても責任を負います。
相続人間の遺産分割協議に基づいて、相続財産を適切に分配することが必要です。
また、相続財産に関する問題が発生した場合には、相続人との間で交渉を行い、問題を解決する必要があります。
相続財産管理人の選任方法
相続財産管理人の選任方法には、以下のものが挙げられます。
- 相続人の合意による選任
- 裁判所による選任
- 弁護士や司法書士による選任
相続人の合意による選任
相続財産管理人の選任方法の一つに、相続人の合意による選任が挙げられます。
相続人の合意によって、相続財産管理人を選任することが可能です。
この場合、相続人たちが話し合いを行い、相続財産管理人を決めます。
相続人たちが合意できれば、裁判所に申し立てることなく、選任が完了します。
裁判所による選任
相続財産管理人の選任方法の一つに、裁判所による選任が挙げられます。
相続人の合意が得られない場合には、裁判所に相続財産管理人を選任してもらうことが可能です。
この場合、相続人たちは、裁判所に申し立てを行い、裁判所が相続財産管理人を選任します。
裁判所は、相続財産管理人に適した人物を選定し、適正な運営を行うよう指示を出します。
弁護士や司法書士による選任
相続財産管理人の選任方法の一つに、弁護士や司法書士による選任が挙げられます。
相続財産管理人の選任には、弁護士や司法書士による選任もあります。
この場合、弁護士や司法書士が相続財産管理人を選任し、その運営を行います。
弁護士や司法書士は、専門的な知識や経験を持っているため、適切な運営を行うことが可能です。
また、弁護士や司法書士が選任された場合には、裁判所に申し立てを行うことなく、相続財産管理人が選任されます。
相続財産管理人の報酬
相続財産管理人の報酬は、以下のようなものがあります。
- 管理報酬:相続財産管理人が相続財産を管理するために、一定の報酬が支払われます。この報酬は、管理する相続財産の価値や、管理期間の長さなどによって変わります。
- 弁護士費用:相続財産管理人が、相続財産に関する法律問題や手続きに対応するために、弁護士に依頼する場合があります。この場合、弁護士費用が発生します。
- 評価費用:相続財産管理人が、相続財産の評価を行う場合があります。この場合、評価費用が発生します。
相続財産管理人の報酬は、相続人や裁判所によって定められます。
報酬が高額であったり、不当なものであったりする場合には、相続人は裁判所に申し立てることが可能です。
また、相続財産管理人は、報酬について相続人に説明する義務がありますので、不明な点があれば相続人に確認するようにしましょう。
相続財産管理人としての資格要件
相続財産管理人としての資格要件はありません。
ただし、裁判所では以下のように示しています。
資格は必要ありませんが、被相続人との関係や利害関係の有無などを考慮して、相続財産を管理するのに最も適任と認められる人を選びます。
弁護士、司法書士等の専門職が選ばれることもあります。
相続財産管理人の選任に関する注意点
相続財産管理人の選任には以下のような注意点があります。
- 相続人の合意が必要
- 誠実かつ公正な人物であることが求められる
- 経験や専門知識がある人物が望ましい
- 報酬の問題については事前に明確にする
- 現実的な選択をする
相続人の合意が必要
相続財産管理人の選任に関する注意点の一つに、相続人の合意が必要なことが挙げられます。
相続財産管理人を選任する場合、相続人全員が合意する必要があります。
特に、遺留分を受ける相続人がいる場合には、その相続人の合意も必要です。
相続人の意見が分かれる場合には、裁判所による選任が必要になることがあります。
誠実かつ公正な人物であることが求められる
相続財産管理人の選任に関する注意点の一つに、誠実かつ公正な人物であることが求められることが挙げられます。
相続財産管理人には、誠実かつ公正な人物が求められます。
相続財産管理人は、相続人や相続財産に対して責任を負います。
そのため、相続財産管理人として適任であると判断される人物を選任することが必要です。
経験や専門知識がある人物が望ましい
相続財産管理人の選任に関する注意点の一つに、経験や専門知識がある人物が望ましいことが挙げられます。
相続財産管理人には、相続税や相続財産の評価など、専門的な知識が必要なことも多いです。
そのため、経験豊富な人物や、法律や税務に関する専門知識を持った人物が望ましいとされています。
報酬の問題については事前に明確にする
相続財産管理人の選任に関する注意点の一つに、報酬の問題については事前に明確にすることが挙げられます。
相続財産管理人には報酬が支払われることがあります。
報酬の金額や支払いのタイミングについては、事前に相続人と合意しておく必要があります。
現実的な選択をする
相続財産管理人の選任に関する注意点の一つに、現実的な選択をすることが挙げられます。
相続財産管理人には、相続人の中で最も信頼できる人物を選任するのが理想的です。
しかし、相続人が多数いたり、相続人間で不和がある場合には、現実的な選択をする必要があります。
まとめ
相続は、相続専門の税理士に依頼することでスムーズに、そして適切に申告をすることが可能です。
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