遺産相続は弁護士に依頼した方がいい場合とは?費用相場も解説

遺産相続を弁護士に依頼したいと思っている人に向けて、この記事では遺産相続を弁護士に依頼した方がいいケースや弁護士に相談して遺言書を作成するメリットを紹介します。

それでは、見ていきましょう。

遺産相続を弁護士に依頼した方がいいケースとは?

遺産相続を弁護士に依頼した方がいいケースは、以下のようなケースです。

  • 相続人の間で揉めているケース
  • 遺産の使いこみがあるケース
  • 遺言書の信憑性が低いケース
  • 被相続人に借金があるケース
  • 存在を知らない相続人がいるケース

相続人の間で揉めているケース

相続人の間で揉めている場合は、遺産相続を弁護士に依頼した方が良いケースが多いです。

相続人の間で揉めている場合、第三者を入れないとトラブル解決の糸口が見つからない可能性もあります。

また、弁護士という第三者を入れることで法律的な観点から問題がないのかを判断してもらうことができます。

極論、どちらか一方が主張している内容が法律に違反している場合、それらの主張は却下されることになります。

このように早い段階で、それぞれの主張が法律に則ったものであるのかを判断する上でも、弁護士を入れた方がいいケースは多いです。

遺産の使いこみがあるケース

遺産の使い込みがある場合は、遺産相続を弁護士に依頼した方が良いケースが多いです。

遺産の使い込みがある場合、遺産の使い込み分を回収する手続きが必要になります。

これらの手続きは弁護士でないと難しいことも多く、弁護士に依頼することでスムーズに行える可能性も高いです。

そのため、遺産の使い込みがある場合は、まず誰がどのように使い込んだのかを調査するフェーズも含め弁護士に依頼した方がスムーズに進みやすいでしょう。

遺言書の信憑性が低いケース

遺言書の信憑性が低い場合は、遺産相続を弁護士に依頼した方が良いケースが多いです。

遺言書は、基本的には遺言書の内容が最優先されるので、遺言書の内容通りに遺産分割が行われることになります。

一方で遺言書にも様々な種類があり、公正証書遺言と自筆証書遺言の二つが主です。

公正証書遺言の場合は、比較的有効性が高いと認められることが多いですが、自筆証書遺言の場合は自分で執筆しなくてはならず、かつ第三者の監修がないなかで作成されるので遺言書自体が形式に則っていない場合などもあります。

この場合、遺言書自体が無効とされる場合もあるでしょう。

また、遺言書の内容自体の信憑性が低いケースもあります。

第三者が被相続人に対して無理矢理書かせたのではないかと思われる内容がある場合もあるでしょう。例えば、誰か一人に対して全額遺産を相続すると記載されていた場合、信憑性が低いと判断されてしまうケースもあります。

このように他の相続人から見て不利な内容の遺言書がある場合、遺言書が本当に認められるべき遺言書なのであるかを判断する上でも弁護士に依頼するケースが多いです。

被相続人に借金があるケース

被相続人に借金がある場合は、遺産相続を弁護士に依頼した方が良いケースが多いです。

被相続人に借金がある場合、遺産相続をする相続人は借金も相続することになります。

このような背景から弁護士を間に入れ、相続すべきかしないべきかの判断をするとともに、相続後に借金をどうにかして減らすことができないのかの相談をすることも弁護士なら可能です。

存在を知らない相続人がいるケース

存在を知らない相続人がいる場合は、遺産相続を弁護士に依頼した方が良いケースが多いです。

存在を知らない相続人がいるケースとしては、被相続人が亡くなる前に実は複数回結婚・離婚を繰り返しており、前妻・前夫との間に子供がいるケースが考えられます。

この場合、前妻・前夫との間に子供にも相続権が発生しており、遺産相続をする権利があります。

相続順位は子供の場合は第1位となり、現在の被相続人の子供と同じ順位になります。

一方で、現在の被相続人の子供にとっては被相続人の前妻・前夫との間の子供については認知していないケースもあります。

この場合、存在を知らない相続人がいきなり現れるということにもなりトラブルの元にもなりやすいです。

このような場合は、遺産相続を当事者間のみで終えるのではなく、弁護士を入れて第三者の見解をもとに進めるケースが多いです。 

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットとは?

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットは、以下の5つです。

  1. 生前に死後の遺産について考えられる
  2. 効果のある遺言書を作成できる
  3. 専門的なアドバイスをもらえる
  4. 税理士等を紹介してもらえる
  5. 生前だからできる節税策の提案がある

生前に死後の遺産について考えられる

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットの一つに、生前に死後の遺産について考えられることが挙げられます。

弁護士を入れて相続について遺言書を作成しておくことで、遺言書を作成する段階で自分の資産がどのくらいなのか、そしてどのようにすれば自分の資産を有効的に相続することができるのかを自分で考えることが可能です。

遺言書のメリットは、自分で死後の財産の行方を決められることでもあります。

このような背景から生前に死後の遺産について考えられるのは大きなメリットでしょう。

効果のある遺言書を作成できる

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットの一つに、効果のある遺言書を作成できることが挙げられます。

遺言書として認められるためには、規定の形式を守っている必要があります。

特に、自筆証書遺言の場合は形式が決められており、かつ一つでも形式に則っていない場合は遺言書自体が無効とされてしまう可能性もあります。

このような背景から有効として認められやすい遺言書を作成する上でも、弁護士に依頼することはメリットになるでしょう。

また、遺言書を作成する場合、法令違反の内容の場合は法律の観点からそもそも遺言の内容が認められない可能性もあるのは事実です。

このような背景から法律的な観点から見ても、遺言書の内容として問題ないかを確認する上でも、事前に弁護士に相談しておくことは重要でしょう。

専門的なアドバイスをもらえる

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットの一つに、専門的なアドバイスをもらえることが挙げられます。

弁護士に相談して遺言書を作成する事で、弁護士の知識・経験をもとにしたアドバイスをもらうことができます。

そのため、法律的にも問題がない遺言書を作成することが可能です。

それだけではなく、どのようにしたら一番効率的に資産を残すことができるのか、そしてどのようにしたら相続人のメリットが一番大きい相続になるのかについて、弁護士から提案を受けることができます。

税理士等を紹介してもらえる

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットの一つに、税理士等を紹介してもらえる可能性があるということが挙げられます。

弁護士と税理士・司法書士などは同じ士業としてつながっている可能性が高いです。

このような背景から相続に強い弁護士であれば、相続に強い税理士とコネクションを持ってる可能性が高く、相続に強く実績がある税理士も紹介してもらえる可能性もあります。

生前だからできる節税策の提案がある

弁護士に相談して遺言書を作成するメリットの一つに、生前だからできる節税策の提案があるということが挙げられます。

相続税を抑える上で様々な節税策がありますが、生きているうちだからこそしかできない節税策があるのも事実です。

例えば、不動産の購入はその最たる例で、不動産の購入は被相続人となる人が生きているうちに行わなくては、相続税の節税対策として認められません。

このような背景から生前だからこそできる節税対策の提案が、遺言書を作成する時点であるというのが大きなメリットです。

遺産相続の弁護士依頼料の費用相場とは?

遺産相続の弁護士依頼料の費用相場は、依頼内容や弁護士事務所によって異なりますが、一般的には以下のような金額帯があります。

  • 相続手続きの全体的なサポートを行う場合:数十万円から数百万円程度
  • 遺産分割協議書の作成のみの場合:数十万円程度
  • 相続税申告書の作成のみの場合:数十万円程度
  • 相続関連の訴訟を行う場合:数百万円から数千万円以上

なお、かかる費用項目は、以下のようになります。

時間単価:弁護士の時間単価は、地域や弁護士事務所によって異なりますが、1時間あたり10,000円から50,000円程度が一般的です。

成功報酬:訴訟などの場合には、成功報酬がかかることがあります。成功報酬とは、勝訴した場合に弁護士に支払われる報酬のことで、成果に応じた金額が設定されます。

諸経費:弁護士が必要とする書類の取得や、専門家の鑑定費用、交通費、宿泊費など、諸経費が発生する場合があります。

消費税:弁護士のサービスには、消費税が加算されます。

以上のような費用項目がありますが、依頼内容や弁護士事務所によって異なるため、まずは弁護士事務所に相談して、費用や支払い方法について詳しく説明を受けることが重要です。

遺産相続に弁護士を入れるデメリットとは?

遺産相続に弁護士を入れるデメリットは、以下の3つです。

  1. トラブルが拡大するきっかけになる
  2. 依頼する料金が高い
  3. 弁護士を見つけることができない

トラブルが拡大するきっかけになる

遺産相続に弁護士を入れるデメリットの一つに、トラブルが拡大するきっかけになるということが挙げられます。

遺産相続に弁護士を入れることで当事者間のみで話し合っていたものを、第三者を入れて話し合うことになります。

もちろん、第三者を入れることで効率的に話すことができ、かつ建設的な会話ができるようになるのも事実です。

一方で、当事者間のみで話し合いを終了させたかったと思っていた相続人がいた場合、相続人だけではなく弁護士を入れたことで、弁護士を入れたことがきっかけでトラブルになってしまう可能性もあるでしょう。

依頼する料金が高い

遺産相続に弁護士を入れるデメリットの一つに、依頼する料金が高いことが挙げられます。

遺産相続に弁護士を入れる事で、弁護士の依頼料金が数万円程度かかることになります。

遺産相続においては、弁護士がいなくても終わらせることができ、税理士や弁護士などのサポートなしで、自分の一人で行うことも可能です。

このような背景から、弁護士を含めた専門家のサポートを受けることで、依頼料金が発生するというのは大きなデメリットでしょう。

弁護士を見つけることができない 

遺産相続に弁護士を入れるデメリットの一つに、そもそも弁護士を見つけることができないということが挙げられます。

弁護士とコネクションがない人の場合、どのように弁護士を選べばいいのか、そして自分が依頼しようと思っている弁護士の料金がそもそも相場とマッチした料金なのかを判断できないことも多いです。

このような背景から弁護士を見つけることができず、かつ提示されている料金自体が高いのか低いのかすら判断できないという可能性があるのは大きなデメリットでしょう。

ただし、最近では弁護士が登録して自分の得意分野を設定しておく事で、弁護士に依頼したいユーザーが弁護士を選ぶことができるというマッチングサービスもあります。

このようなサービスを利用することで、複数の弁護士とコネクションを作れるだけではなく、弁護士に依頼する際の相場観なども知ることができます。 

まとめ

相続は、相続専門の税理士に依頼することでスムーズに、そして適切に申告をすることが可能です。

相続税の申告・生前対策のご相談なら相続特化の提案型税理士事務所である「アスク税理士事務所」にご相談ください。